用の美 「小鹿田焼」

2025/06/15

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 皆様 こんにちは スマイルトークです。

青果売り場で梅の実が見られるようになりました。それと共に日本各地で梅雨入りの声も聞こえてきます。紫陽花が雨に濡れた姿も美しいですね。

小鹿田焼(おんたやき)という焼き物をご存じでしょうか?大分県日田市の北部にある皿山地区で300年以上作られている陶器です。山間にある美しい集落「小鹿田焼の里」は重要文化的景観に指定されています。


現在は9軒の窯元が一子相伝、家族労働のみで作陶をしています。集落近郊で取れた土を乾燥させた後、水力を利用した唐臼で何日もかけて粉砕します。歩いていると、水の流れる音とこの唐臼のドスンという音が川沿いのあちらこちらから聞こえてきます。




小鹿田焼の特徴として成型は足で蹴りながら回す蹴轆轤(けろくろ)を使い、薪を燃やす登り窯によって焼き上げられます。




登り窯の大きさにより、30時間から55時間夜通しで火を焚き続け、焚き終わると3日ほどかけて冷まします。

このようにして伝統技法を守り、丁寧な手作業でできあがった小鹿田焼は手に取るととても温かみを感じる器です。
小鹿田焼の代表的な模様 右端 打ち刷毛目 中央 飛び鉋 

日常で使う器こそ美しい」 民藝運動を提唱した柳宗悦やバーナード・リーチ(英国の陶芸家)がこの地をわざわざ訪れ、作陶までして小鹿田焼を愛したのもうなずけます。1995年には国の「重要無形文化財」に指定されました。民藝の思想の元となる『用の美』を体現したのがこの焼き物と言えるのではないでしょうか。
お気に入りの器がひとつあるだけで毎日の生活が豊かになりそうです。

次回のスマイルトークでお会いした時に、皆様の“普段使いのお気に入り”についてのお話を伺えたら嬉しいです。

梅雨冷えの肌寒い日もありますが、くれぐれもお身体を大切になさってくださいませ。

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